リリカル★恋物語

「ぼく、おっきくなったらふみおにいちゃんとけっこんするー」
文世の膝の上で曇りのない可愛いらしい笑顔を浮かべながらまだ幼い甥っ子正太郎が問題発言をした。
正太郎を膝に乗せた文世は突然すぎる発言に思わず飲んでいたお茶を吹き出しそうになる。
しかし文世の反応とは裏腹に周囲にいた大人たちはその微笑ましさに笑う。
「そうか!正太郎はそんなに文世が好きか」
「うん!だってふみおにいちゃんやさしいし、かっこいいもん」
正太郎は目をキラキラさせて文世を見上げた。
「そうねーママも文ちゃんなら安心かも」
「パパも文世なら正太郎をやってもいいな」
揃って子供の戯言と思いながら、後押しをしだす両親の姿に気を良くした正太郎は文世の膝に向かい合うように座り直すと更に大胆な行動に出た。
「おっきくなったらけっこんしてね」
そう言ってチュッと文世の唇にキスをする。
可愛いらしい笑顔つきで。
文世の中で何かが陥落した音が聞こえた。
「いいよ」
「ほんと?!」
「うん、本当」
「じゃあ、やくそくだよ」
ニッコリと幼い正太郎と文世は笑いあう。
「あははっ!じゃあ文世!!正太郎をたのむぞー」
正太郎の父親は冗談ながらに文世の背を叩いた。
そうこの時は世の中をまだ知らない、幼い子供の発言に合わせた、ただの冗談。
ただし二人を除いて。

----現在(横丁に来るちょっと前)
「父さんのウソツキ!!昔はいいって言ってたくせに」
「お前、それは小さい頃の話だろう…そんな話されても文世だって迷惑だ」
「わからないじゃん!いいよ、父さんの分らず屋!!俺、おじさんに直接聞きにいくから」

「…て訳で家出してきたんだけどさ」
ご隠居三人組が作り出した絹代ちゃんをくっつけながら、高校生に成長した甥っ子の正太郎は文世の正面に座っていた。
「正太郎君も小さい頃のことなのに良く覚えてたねぇ」
のほほんと目の前で笑う文世に正太郎は不安を募らせる。
「…おじさんも父さんたちと同じで、俺に合わせてくれたの?」
正太郎は眉間に皺を寄せた。
「そこまで僕はいい人じゃないよ?」
文世はニッコリと笑い返す。
「いつ迎えに行こうか、なんて考えてたし」
「え?」
文世が言い始めたことが分からず正太郎は戸惑う。
「でも僕が迎えに行くより先に君が来てくれましたしね」
「・・・」
「今も昔も、君が動かないと僕らの関係は進まないみたいだ」
苦笑気味に文世が洩らした言葉でようやく正太郎にも解った。
「・・・覚えててくれたんだ」
「後にも先にも、あんな可愛いくて情熱的なプロポーズはされたことなかったからね」
「…俺もう高校生だよ?」
カワイイという言葉に正太郎は引っかかる。
文世が幼い自分をカワイイというのなら、そんなもの今の自分には微塵もない。
何処から見ても普通の高校生だ。
「大きくなっても正太郎君は可愛いよ」
考えていることが顔に出ていたのか、文世がそんなことを言い出した。
高校生にもなって可愛いもないと思うけれど、大好きな文世に言われるのは悪くない。
「じゃあさ、じゃあ…」
「うん?」
幾分目元の皺は増えたけれど、文世は昔とかわらない正太郎が大好きな笑顔を浮かべる。
「俺ここにいてもいいよね?」
「勿論」
「絹代ちゃんが離れても??」
「むしろ帰しませんよ」
「約束だよ」
「ええ」
昔と同じように二人は笑いあった。
「ね、そういえば叔父さん」
「なんだい正太郎君」
「俺達どっちがどっちなんだろうね」
この場合正太郎がいいたいのは、どっちが婿で嫁かの話なのだろう。
文世としては断然正太郎が嫁なのだが・・・。
というかそもそもこの甥っ子には情事というものが頭から抜け落ちている気さえ文世にはした。
ならば自然とそういった流れに持ち込んでしまえばいい。
「まぁ、それは追々」
腹黒く考えながら文世はこの話題を打ち切る。
「そうだね。まずは絹代ちゃんだよね」
文世の思惑に気づくはずもない正太郎。

こうして叔父と甥っ子の同居(棲)生活が始まった。

タイトルとは全く関係のない話になりました(元よりその気ナイんですが)←オイ

第一話で妄想
なんというかアレですね
文世ちゃんが胡散臭いデス
これでも原作読みつつ頑張ったんですけど...意味なかった感がヒシヒシと
頭悪い話でスイマセン

UP:2005/09/25








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